日本国民のための愛国の教科書
著者名 | |
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発売日 | 2019年07月26日 |
価格 | 1680円+税 |
判型 | 四六変形 |
ISBN | 9784991022197 |
Patriotism: The Textbook for the Japanese Nation
Takashi Shogimen
『ヨーロッパ政治思想の誕生』(名古屋大学出版会、2013年)でサントリー学芸賞受賞の著者が、中学生からお年寄りまですべての〈日本人〉に送る、愛国心をめぐる7つのレッスン。
「世界に国を成すもの沢山あり、然れども日本人程愛国々々と叫ぶ者は未だ嘗て見たることなし」(リギョール『日本主義と世界主義』:文海堂:明治31年)
【目次】
レッスン1 愛国心を持つことは自然なことか
(1)烈女・畠山勇子
(2)武士道の変遷
(3)明治の日本人と愛国心
(4)愛国心の教育
(5)〈国民〉は想像の共同体
レッスン2 国を愛することは簡単なことか
(1)「愛国」の起源
(2)パトリオティズムとは何か
(3)ナショナリズムとは何か
(4)ナショナリズムの影響を受けたパトリオティズム
(5)近代日本の「忠君愛国」
(6)なぜ国を愛するのか
(7)「自分の国」という宿命
(8)「日本バカ」に足りないもの
レッスン3 国のために尽くすことは正しいことか
(1)国への忠誠心
(2)ハーシュマンの理論
(3)沈黙しない忠誠心
(4)日本人の「離脱」と「発言」
(5)ナチスドイツ下の「離脱」と「発言」
(6)「不満があるなら日本から出て行け」
(7)国家とはどのような存在なのか
レッスン4 国をどのように誇りに思うべきか
(1)イギリス人の誇りとドイツ人の誇り
(2)自己欺瞞のワナ
(3)ナショナリズムVS.歴史の真実
(4)歴史学は有害なのか
(5)批判の作法
(6)批判的愛国者のすすめ
レッスン5 愛すべき〈祖国〉とは何か
(1)〈祖国〉の復習
(2)「日本」とは何か
(3)頭の中の「国境線」
(4)伸縮可能な〈祖国〉
レッスン6 愛国心の落とし穴とは何か
(1)「やっぱり」の誘惑
(2)儀礼の効用
(3)「自分たち」とそれ以外
(4)民衆扇動の見分け方
(5)個人主義的愛国心
レッスン7 愛国者の覚悟とは何か
(1)他人はともかく自分は
(2)再び、畠山勇子について
(3)「日本人で良かった」?
(4)日本人に冷たい日本人たち
(5)ぬくぬくナショナリズム
(6)日本以外のもうひとつの視点
(7)愛国を超えて
読書案内
あとがきにかえて
【著者略歴】
将基面 貴巳(しょうぎめん・たかし)
1967年(昭和42年)神奈川県横浜市生まれ。駒場東邦高等学校を経て、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。シェフィールド大学大学院歴史学博士課程修了(Ph.D.)。研究領域は政治思想史。ケンブリッジ大学クレア・ホールのリサーチフェロー、ブリティッシュ・アカデミー中世テキスト編集委員会研究員、ヘルシンキ大学歴史学部訪問教授などを歴任。現在、ニュージーランド・ダニーデンに所在するオタゴ大学人文学部歴史学教授。英国王立歴史学会フェロー。『ヨーロッパ政治思想の誕生』(名古屋大学出版会、2013年)で第35回サントリー学芸賞(思想・歴史部門)を受賞。その他の著作にOckham and Political Discourse in the Late Middle Ages (Cambridge University Press, 2007), Visions of Peace: Asia and the West (co-edited with Vicki A. Spencer, Ashgate, 2014), Western Political Thought in Dialogue with Asia (co-edited with Cary J. Nederman, Lexington Books, 2009)、『言論抑圧 矢内原事件の構図』(中公新書、2014年)、『政治診断学への招待』(講談社選書メチエ、2006年)、『反「暴君」の思想史』(平凡社新書、2002年)がある。最新刊は『愛国の構造』(岩波書店)。